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『パリの灯は遠く』 Monsieur Klein

お知らせ
10月22日(日)に開催予定でした「第45回奈良日仏協会シネクラブ例会」は、
11月26日(日)に変更になりました。皆さまの参加をお待ちしております。

「第45回 奈良日仏協会シネクラブ例会」の案内
45ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時    2017年11月26 日(日) 13:30~17:00
◇会場    奈良市西部公民館5階第4講座室
◇プログラム 『パリの灯は遠く』(Monsieur Klein, 1976年, 122分)
◇参加 費 奈良日仏協会会員・学生:無料  一般:300円
◇飲み会 例会終了後「味楽座」にて
◇例会・飲み会とも予約不要
◇問 い合わせ 浅井直子 Nasai206@gmail.com

(スタッフ)

監督 ジョセフ・ロージー Joseph Losey

脚本 フランコ・ソリナス Franco Solinas

   フェルナンド・モランディ Fernando Morandi

撮影 ジェリー・フィッシャー Gerry Fisher

音楽 エジスト・マッキ Egisto Macchi

   ピエール・ポルト Pierre Porte

(キャスト)

ロベール・クライン     アラン・ドロン Alain Delon

フロランス             ジャンヌ・モロー Jeanne Moreau

管理人                 シュザンヌ・フロン Suzanne Flon

ジャンニー             ジュリエット・ベルト Juliet Bert

ピエール               ミシェル・ロンズデール Michael Lonsdale

ニコル(ピエールの妻) フランシーヌ・ベルジェ Francine Berge

(ストーリー)

1942年1月、パリはドイツの占領下にあり、対独協力のヴィシー政府はユダヤ人排除の法律をつぎつぎと成立させていました。映画の冒頭、医師による非人道的な人種選別の場面に私たちは衝撃を受けます。多くのユダヤ人は国外へ逃れようとしていました。主人公のフランス人美術商ロベール・クライン(アラン・ドロン)は、贅沢で放縦な生活をしています。それというのも彼のもとへは、ユダヤ人たちが所蔵する美術品を換金するためつぎつぎと訪れ、彼は客の足元を見て安値で買い取り儲けているからです。

ある日彼は玄関に不審な刊行物が置かれているのを見つけます。それは購読を申し込んだ覚えのない「ユダヤ通信」という刊行物で、宛先は確かに彼でした。不安に襲われ調べてゆくと、彼と同姓同名のユダヤ人がいて、彼を身代わりにして自分は姿を消し、危難を免れようとしていることが分かってきます。彼の家には早くも刑事がやってきました。街にはユダヤ人の一斉検挙が近い動きが見られます。一刻も早く同名のユダヤ人を見つけて、自分の安全とアイデンティティを守らねばなりません。彼の必死の奔走が始まります…。

(ジョセフ・ロージー監督とこの作品について)

ジョセフ・ロージーはアメリカ・ウィスコンシン州生まれで、1943年にMGMと監督の契約を結びますが戦争のため中断、48年、はじめての長編で、反戦を訴えた『緑色の髪の少年』を発表しました。その後いくつかの作品を発表しますが、彼の左翼思想に対する非米活動委員会の追及を免れるため、51年イギリスに亡命しました。イギリスでも当初は本名での活動はできず、四つの偽名を使って作品を発表しています。57年から再び本名で作品を発表しましたが、この頃から彼の評価が、特にフランス、ヌーヴェルヴァーグの人たちの間で高まり、フランスで撮った「エヴァの匂い」(62)や、イギリスで撮ったハロルド・ピンター脚本の「召使」(63)で彼の評価が確立しました。その後拠点をフランスに移し、スターを用いた大作を発表してゆきます。アラン・ドロン主演の「暗殺者のメロディー」(72)がその第一作で、1940年のトロツキー暗殺事件を描いています。この「パリの灯は遠く」(76) はドロン主演第二作で、ドロンのキャラクターの一面をよく捉えています。理由が分からずに逮捕される銀行支配人フランツ・Kを描いたカフカの小説[『審判』(1915) を思わせるものがあり(主人公の頭文字が同じなのは偶然?)、ロージー監督の特色である不条理と暴力そしてサスペンスに溢れた、反ファシズム映画の傑作であると思います。