シネクラブ

『ヌーヴェルヴァーグ』(1990)

第68回日仏シネクラブ例会 アラン・ドロン追悼⓸
68ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:9月6日(日) 13:30~17:00  6 septembre 2026
◇会場:奈良市西部公民館5階第4講座室
Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle 4 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ヌーヴェルヴァーグ』Nouvelle Vague, 1990, 88min.
◇監督:ジャン=リュック・ゴダール Jean-Luc Godard
◇参加費:会員200円、 一般300円 200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合せ:Nasai206@gmail.com   tel:070-1731-0230 (淺井)
◇予約不要: Aucune réservation requise

◇映画界の異なる分野の巨匠、アラン・ドロンとジャン=リュック・ゴダールは長年一緒に仕事をしたいと願っていた。ゴダールはドロンに比較的ロマンチックな映画を約束し、ドロンは監督に柔軟に対応することを約束した。ゴダールはドロンに二役を与え、スクリーン上にずっと姿を見せ続けることで彼の存在感を高めたが、手の届かないスターという強いイメージは意図的にぼかした。映画『ヌーヴェルヴァーグ』は、古典的モデルと、映画史を参照させる鏡像的モデルの両方に属している。前者からは、上映時間88分の直線的な時間構造と物語の中心になる二人の登場人物(男性と女性)が見出せる。しかしその一方で、古典的側面に寄りそいながら、ゴダール作品によくみられるような明確には定められないストーリーが存している。とはいえ、この映画には二つの並行するストーリー、恋愛と政治・金融の世界が含まれていると考えることもできるだろう。(ピエール・シルヴェストリ)
Alain Delon comme Jean-Luc Godard, deux monstres sacrés du cinéma dans des genres différents, désiraient tourner ensemble depuis longtemps. Godard promet à l’acteur un film relativement romanesque et Delon au metteur en scène d’être malléable. Le cinéaste valorise l’acteur en lui attribuant un double rôle qui lui permet d’être omniprésent à l’écran, mais aussi estompe intentionnellement l’image fortement connotée de la star intouchable.
Nouvelle Vague relève à la fois du modèle classique et du modèle spéculaire – qui renvoie à l’histoire du cinéma. Du premier, nous retrouvons la structure temporaire linéaire, la durée moyenne de 85 minutes, ainsi que deux personnages (un homme, une femme) qui sont au centre du récit. En revanche, ce qui parasite son aspect classique réside dans l’intrigue qui n’est pas clairement définie comme souvent chez Godard. On peut considérer que le film comporte malgré tout deux intrigues parallèles : la relation amoureuse et le monde politico-financier. (Pierre SILVESTRI)

『太陽がいっぱい』(1960)

第67回日仏シネクラブ例会 
67ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:3月1日(日) 13:30~17:00  le dimanche 1er mars 2026
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室 
 Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle 3 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『太陽がいっぱい』Plein Soleil, 1960, 118min.
◇監督:ルネ・クレマン René Clement
◇参加費:会員 200円、 一般300円
200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合せ:Nasai206@gmail.com   tel:070-1731-0230 (淺井) 予約不要

◇プレゼンターからのメッセージ:
『太陽がいっぱい』は映画史上において名高い作品ですので、すでにご覧になっている方も多いかもしれません。原作は米国のパトリシア・ハイスミスの『才能あるトム・リプリー』 (The talented Mr. Ripley) 。この映画の大ヒットにより、アラン・ドロンはいちやく世界的な映画スターになりました。彼が演じる野心家の青年トムの人間像、アンリ・ドカエの見事なカメラワークがとらえる海辺の佇まい、ニーノ・ロータの哀愁を誘う旋律、ルネ・クレマンとポール・ジェゴフの巧みな脚本、『禁じられた遊び』(1952)『居酒屋』(1956)で知られるルネ・クレマン監督の新たな境地。それらすべてが一体となって、この作品は独特の輝きを放っています。フラ・アンジェリコの絵画、太陽の光と青い波に揺さぶられる白いヨット、イタリアの鄙びた小さな港町の風情、背景の海に浮かぶ黒い帆船など、細部の描写が不思議な魅力を添えています。誰が犯人なのか早くから観客の目にはそれとわかるように示されていて、「犯人探し」がサスペンスの核心ではなさそうです。ではなぜ、この作品は見る者をはらはらさせるのでしょうか? じっさいに映画をご覧になって、各人、心の中で問いかけてみてください。(淺井直子)

『冒険者たち』(1967)

第66回日仏シネクラブ例会
66ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時: 6月29日(日) 13:30~17:00 le dimanche 29 juin 2025
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
    Nara Seibu Kôminkan 5-kai (4er etage) salle audiovisuelle
    (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『冒険者たち』Les Aventuriers, 1967, 112min.
◇監督:ロベール・アンリコ Robert Enrico
◇参加費:会員 200円、 一般300円
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合せ: Nasai206@gmail.jp  tel:070-1731-0230(浅井) 予約不要

◇プレゼンターからのメッセージ:
『冒険者たち』は60年代後半から70年代に青春を送った多くの人にとって思い入れの強い作品だろう。そして映画を気に入った人の多くは、あの要塞島 Fort Boyard に行きたいと思うだろう。僕もその一人で1986年に行ったが、運悪く悪天候で観光船が欠航し行けなかった。2000年に再訪し、やっと近くから見ることが出来た。映画でも分かるが周囲が岩場で小さな船でしか行けない。観光船は、要塞に行く前にエクス島 Les iles d’Aix に立ち寄り1時間近い自由時間があった。当時は何でもネットで情報が得られる時代ではなく、この島のことも何も知らなかった。映画を見た記憶だけで似ているなとマヌー(ドロン) が小舟に乗った場所を写真に撮り、歩いていて面白い日時計があり写真を撮ったが、ビデオを見直すと、まさにその家がマヌーが滞在した家だった。映画に出てくるアフリカ美術館も同じ島だと後から知り、再訪することがあれば絶対行こうと思っている。なお要塞島の場所はボルドーとナントの間、ラ・ロシェルの沖合だが、一応個人の所有で勝手に上陸はできない。(橋本克己)

『恋ひとすじに』Christine

第65回日仏シネクラブ例会:アラン・ドロン追悼(1)
65ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2025年3月2日(日)13:30~17:00   le dimanche 2 mars 2025
◇会場:奈良市西部公民館5階第3講座室
 Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle 3 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『恋ひとすじに』Christine, 1958, 109 min.
◇監督:ピエール・ガスパール=ユイ Pierre Gaspard-Huit
◇参加費:会員 200 円 一般 300 円  
 200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com   tel. 070-1731-0230(淺井)予約不要

≪映画紹介≫
2024年8月に88歳で亡くなったアラン・ドロンは、世紀の二枚目俳優として知られ、数多くの映画作品に出演した大スター。映画だけでなく私生活で浮名を流したことでも知られています。今回は、そんな彼がウィーン出身の女優ロミー・シュナイダーと出会い、二人が恋に落ちるきっかけになった作品『恋ひとすじに』を紹介します。当時、ロミー・シュナイダーは「プリンセス・シシー」シリーズでヨーロッパ中に人気を博したスター女優だったのに対して、アラン・ドロンは駆け出しの若手俳優。そのことは、出演料がロミーの7500万旧フランに対しドロンが30万旧フランという数字によく表れています。

映画の舞台は1906年のウィーン。若い少尉フランツ(ドロン)は、男爵夫人レナ(ミシュリーヌ・プレール)との不貞関係を重荷に感じて、友人のテオ中尉(ジャン=クロード・ブリアリ)と酒場に出かけ、歌手志望のクリスチーヌ(ロミー・シュナイダー)に出会います。まだスターの輝きはないけれども存在感を示すドロンとお姫様のように可愛いらしく美しいロミー。ふたりの恋の行方は…?
原作は森鴎外の翻訳でも知られるシュニッツラーの『恋愛三昧』。映画では19世紀のウィーン社会の風俗も垣間見ることができます。(淺井直子)

『自由の幻想』Le Fantôme de la liberté

第 64 回日仏シネクラブ例会案内:ルイス・ブニュエル特集②『自由の幻想』
64ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2024 年 9 月 29 日(日)13:30~17:00
    le dimanche 29 septembre 2024
◇会場:奈良市西部公民館 5 階第4講座室
    Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle 4
    (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『自由の幻想』Le Fantôme de la liberté, 1974, 104 min.)
◇監督:ルイス・ブニュエル Luis Buñuel
◇参加費:会員 200 円、一般 300 円
 200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 070-1731-0230(淺井) 予約不要

≪映画紹介≫
ルイス・ブニュエルの最後から二番目の映画『自由の幻想』 (1974) は、初期の『アンダルシアの犬』 (1929) や『黄金時代』 (1930) のシュルレアリスム作品の出発点に戻っています。フランス社会は変化し、カトリックは衰退し、道徳はひっくり返り、映画の観客はより文化的になり、ブニュエル自身は『ビリディアナ』(1961)でカンヌ国際映画祭のパルムドール受賞、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(1972)でオスカー最優秀外国語映画賞を受賞するなど、国際的に有名な映画監督となりました。しかし、彼の美学的なアプローチと世界観は、その破壊的な批評性を少しも失っていません。(ピエール・シルヴェストリ)

『小間使いの日記』Le Journal d’une femme de chambre

第63回日仏シネクラブ例会
63ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2024年6月30日(日)13:30~17:00   le dimanche 30 juin 2024
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
    Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle audiovisuelle
    (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『小間使いの日記』Le Journal d’une femme de chambre, 1964, 94 min.
◇監督:ルイス・ブニュエル Luis Buñuel
参加費:会員 200 円、一般 300 円  
    200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com   tel. 070-1731-0230(淺井)予約不要

≪映画紹介≫
ノルマンディー地方のブルジョワの家に、パリから小間使としてやってきたセレスティーヌ(ジャンヌ・モロー)。家の実権は夫人がにぎり、婿養子の夫(ミシェル・ピコリ)は無能な恐妻家。夫人の父親の隠居老人は、セレスティーヌを部屋に招き入れ彼女にブーツを履かせて悦にいる。ブルジョワジーの隠微な実態・モラルや官能のあり方が、セレスティーヌの眼を通じて暴かれてゆく。

ある日平穏だった田舎町でレイプされた少女の遺体が発見される。パリに帰ろうとしていたセレスティーヌは少女の事件のことを聞いて家にとどまる。彼女のとった行動は…?

音楽はいっさい使わず、列車の音・馬の蹄・教会の鐘などの現実音を豊富に使用。1900年だったオクターヴ・ミルボーの原作の設定を、監督のブニュエルは1928年(『アンダルシアの犬』が発表された年)に変えている。本作品を通じて、当時のヨーロッパ社会の動向へのブニュエルの批評的視線も読みとることができる。(淺井直子)

『想い出のマルセイユ』Trois Places pour le 26

第62回日仏シネクラブ例会案内
62ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2024年2月25日(日)13:30~17:00
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
     Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) shichôkaku-shitsu
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『想い出のマルセイユ』(Trois Places pour le 26, 1988, 103min.
     (ジャック・ドゥミ特集④)
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員 200 円、一般 300 円
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 070-1731-0230  ◇予約不要
◇映画紹介
 イヴ・モンタンがミュージカル公演に出演するために故郷のマルセイユ駅に到着する場面から始まります。冒頭、駅の階段で群舞とともにモンタンが歌って踊る姿が魅力的です。初老のモンタンには、長年、歌手・俳優としてキャリアを積んできたスターにしか出せないオーラ、枯れた味わい、優雅さがただよっています。自身の歩んできた人生を歌と踊りで振りかえる公演のために、マルセイユにやってきたモンタンですが、その舞台裏でかつての恋人と再会し、彼女から自分には娘がいたことを知らされます。
 ドゥミの作品におなじみの男女の出会い・別れ・すれ違い・再会・再出発の劇が、実人生と芝居が交錯しながらくり広げられます。様々な偶然に翻弄され、ほろ苦さを味わいながらも、生きていこうとする人物たち。モンタンは公演を終えると、次の公演の地へと旅立っていきます。人生は旅であり、旅は人生そのもの。本作品はドゥミの遺作となりました。(淺井直子)

『ロシュフォールの恋人たち』Les Demoiselles de Rochefort

第61回奈良日仏シネクラブ例会
61ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2023年10月29日(日)13:30~17:00 le dimanche 29 octobre 2023
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
     Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) shichôkaku-shitsu
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ロシュフォールの恋人たち』Les Demoiselles de Rochefort, 1967, 123min.
       (ジャック・ドゥミ特集③)
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com  tel. 070-1731-0230
◇予約不要

≪映画紹介≫
ジャック・ドゥミ特集3回目は、カトリーヌ・ドヌーブと実姉のフランソワーズ・ドルレアックが、双子の姉妹役で素敵な歌と踊りを披露してくれるミュージカル作品を紹介します。フランス南西部の港町ロシュフォールは年に一度の祭を前にして盛り上がっています。姉妹の母(ダニエル・ダリュー)がお祭り会場の広場の一角で営むカフェには、常連客や様々な人びとが出入りしています。監督のドゥミは、ミシェル・ルグランの音楽を用いて、スペクタクルに富むアメリカ風ミュージカルの華やかさ(ジョージ・チャキリスとジーン・ケリーを起用)とフランス的な色彩感覚やエスプリを見事に融合させ、歌・ダンス・港町の風景・秘められた人間ドラマを楽しめる極上の作品に仕上げています。(淺井直子)

『ロバと王女』Peau d’âne

第60回奈良日仏シネクラブ例会
60ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2023年7月30日(日)14:00~17:00 le dimanche 30 juillet 2023
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
     Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) shichôkaku-shitsu
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ロバと王女』Peau d’âne, 1970, 90min.
       (ジャック・ドゥミ特集⓶)
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com  tel. 090-8538-2300
◇予約不要

≪映画紹介≫
ジャック・ドゥミ特集の2弾目として、ミシェル・ルグランの音楽、カトリーヌ・ドヌーブの主演によるミュージカル『ロバと王女』(原題「ロバの皮Peau d’âne」1970年)を取り上げます。同じトリオにより制作された『シェルブールの雨傘』(1964年)『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)に続く作品ですが、前二作がドゥミ自身により脚本が書かれたのに対して、こちらは原作があります。「眠れる森の美女」などで知られるシャルル・ペロー『昔話集』(17世紀末)のなかの一篇「ロバの皮」で、フランスではよく知られた物語です。ただ、内容が近親相姦的欲望を描いたものなので、日本の子ども向けの本には収録されていないようです。この題材をもとに、ドゥミは、華麗な色彩で繰り広げられる魅惑的な恋愛ファンタジーを作り上げました。フランス国内の観客動員数は220万人にのぼり、ドゥミ最大のヒット作となりましたが、きっと家族連れが映画館へ詰めかけたのでしょう。(三野博司)

『ローラ』Lola

第59回奈良日仏シネクラブ例会
59ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2023年2月26日(日)14:00~17:00 le dimanche 26 février 2023
◇会場:奈良市西部公民館4階 第1・第2会議室  
     Nara Seibu Kominkan 4-kai (3er étage) salle 1, 2
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ローラ』Lola, 1961, 88min.
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 090-8538-2300(予約不要)

≪映画紹介≫
アニエス・ヴァルダ特集に続いて、彼女の夫ジャック・ドゥミの作品を紹介します。『シェルブールの雨傘』(1964) や『ロシュフォールの恋人たち』(1967) で知られる監督の長編第一作が『ローラ』(1961) です。舞台はドゥミの故郷でもある港町ナント。「ローラ」の名前でキャバレーの契約歌手兼ダンサーとして働きながら幼い息子イヴォンを育てるセシル(アヌーク・エーメ)。イヴォンは初恋の男性ミシェル(ジャック・アルダン)との忘れ形見。セシルは 7 年も音沙汰のないミシェルを待ち続けます。彼女は、ナントに一時滞在中のアメリカ人水兵フランキーに口説かれたり、10 数年ぶりに偶然再会した幼なじみのロラン(マルク・ミシェル)からプロポーズされても、ひたすらミシェルへの愛を貫こうとします。港町ナントでは様々な人々が出会い、それぞれ夢のような時を過ごし、やがて町を去り、戻り、また旅立っていきます。ミシェル・ルグランの音楽、ナントの町の「ポムレー路地」他のモノクロ映像が詩情をそえ、近年、『男と女 人生最良の日々』(2019) で 80 代後半になってもなお内面から輝く美しさで観客を魅了した女優アヌーク・エーメの、若き日の美しさが光ります。