2024年度ガイドクラブ 「霊山寺散策:本堂とバラ園」
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奈良の各地に足跡を残す歌人にして美術史家の秋艸道人こと、会津八一について、柏木隆雄氏のお話をうかがったあと、秋篠寺、東大寺などの歌碑を実際に見て回ります。
✤講師:柏木隆雄(大阪大学名誉教授)、バルザック、J・ルナールがご専門のフランス文学者ですが、日本文学にも造詣が深く、これまで ガイドクラブに4回参加されています。
講演の部
✤日時:2023年10月22日(日)12:20~14:10
✤講演会場:生駒市セイセイビル4F 401号
歌碑巡りの部
✤行程:14:38生駒発―(近鉄)―大和西大寺―(奈良交通バス)―秋篠寺拝観―(奈良交通バス)―大和西大寺―(近鉄)―奈良―(ぐるっとバス)―東大寺大仏殿―(徒歩10分)―飛鳥園―(徒歩20分)―興福寺、解散18:20。 ※行程の時刻詳細は、参加者に改めてご案内。
✤参加費:会員200円、一般700円(秋篠寺拝観料500円、奈良交通バス、近鉄電車は別途各自負担)
✤懇親会:終了後18:30から、「菜宴」(奈良市小西町19)にて、有志による懇親会を行います。
4,000円(飲み物別)は各自負担。
✤問合わせ:sugitani@kcn.jp TEL. 090-6322-0672(杉谷)
生駒市高山地区の「竹茗堂 左文」を訪ね、第 24 代堂主の久保左文さんによる作業工程の実演を見学し、高山茶筌の歴史や工程についてのお話をお聞きします。久保左文さんは、2008年にルーヴル美術館出展、2014 年ジャパンエキスポ参加・製作実演など、日本の伝統文化をフランスに広める日仏文化交流活動に携わってこられました。海外からの見学者も多く、HP には、フランス語版も含めて五ケ国語(日・英・西・独・仏)のヴァージョンが整っていますので、この機会にぜひ参照下さい。
✤ 集合:9 月 4 日(日)14 時 近鉄けいはんな線学研北生駒駅バス停 2 番乗り場。
当日車で行かれる方は 14 時 30 分までに竹茗堂 左文へ(駐車場有)。解散 16 時半頃。
✤ 参加費:会員 1000 円 一般 1500 円 (お抹茶とお菓子付き、要予約、定員 15 名)
✤ 申込先:Nasai206@gmail.com tel. 090-8538-2300 (浅井)
✤ 「竹茗堂 左文」 HP アドレス:https://chikumeido.com/
この夏、当協会会員中西ツヤ子さんのフランス在住の娘さん中西さおりさんとご家族が帰省されます。さおりさんもご主人のイヴァンさんも、すでに「Mon Nara」に寄稿していただいていますが、フランスの最近の生活の様子やコロナ事情など、生のご体験をお伺いする機会を設けました。ご興味のある方はぜひご参加ください。
◆日時 :2022年7月22日(金)15:00~17:00
◆ゲスト :中西さおりさん&イヴァン・オラリアガさんご夫妻、双子の小学生の息子さん
◆参加人数:定員20名(ゲスト含めて、要予約) 申込締切:7月19日(火)正午まで
◆参加費 :会員1,000円、一般1,500円 (ワンドリンク&デザート付き)
◆会場:アトリエ&カフェ「Luana」(近鉄生駒駅徒歩2分)
https://www.hotpepper.jp/strJ001295239/
※少しわかりにくい場所にありますので、当日は14:45に近鉄生駒駅中央改札口を出たところで待ち合わせをし、引率いたします。
◆申込先 :淺井直子 Nasai206@gmail.com 090-8538-2300
今年度のガイドクラブは10月10日(土)に奈良県桜井市の聖林寺と談山神社を訪ねます。
◆参加費:会員1200円 一般1700円 (要予約、定員14名)
◆案内:ニコラ・マイニさん
◆申込先:Nasai206@gmail.com tel. 090-8538-2300 (浅井)
◆行程
12:30 桜井駅(JR・近鉄)南口集合
12:50 バス乗車
12:58 聖林寺バス停下車
13:10~13:55 聖林寺拝観
14:08 聖林寺バス停バス乗車
14:24 談山神社バス停下車
14:35~16:20 談山神社散策・拝観、多武峰観光ホテル5Fレストランにて休憩
16:37 談山神社バス停乗車
17:02 桜井駅南口下車、解散
17:10 居酒屋「千宝」にて懇親会(有志)
◆行先紹介
【聖林寺】Temple Shôrin-ji
8世紀初頭 (712年) の創建。桜井市の町から少し離れた丘の上に建つ閑静な寺院。お寺の門からは三輪山全体が見渡せる。本堂には子安延命地蔵があり、安産の神として崇敬されている。寺には十一面観音像が安置されている。
Bâti au début du VIIIe siècle. Un temple calme construit sur une colline à l’écart de la ville de Sakurai. Depuis le portail du temple, vous pouvez balayer du regard l’ensemble du mont Miwa-yama. Dans le Hondô (bâtiment principal) se trouve une statue de Koyasu Enmei-jizô que l’on vénère en tant que divinité de l’accouchement facile. Le temple abrite une statue de Jûichimenn-Kannnon.
「十一面観音」Jûichimen-Kannon (Kannon aux onze visages)
8世紀に造られた国宝。この仏像からは周囲のすべてを包みこむような独特の優しい雰囲気がただよい、多くの芸術家や美術批評家が感嘆している。この仏像には謂れがある。かつては大神神社の「大御輪寺」の本尊だったが、1868年の神仏分離令のときに聖林寺に移管された。
Trésor National, datant du VIIIe siècle. De cette statue de Bouddha se dégage une aura de bonté qui semble envelopper tout ce qui l’entoure. Beaucoup d’artistes et de critiques d’art en sont très admiratifs. Cette statue possède une histoire ; autrefois, c’était l’idole principale du temple Daigorin-ji du mont Miwa-yama. Cependant, en 1868 à l’ère Meiji, au moment de la promulgation de la séparation entre bouddhisme et shintoïsme, cette statue a été transférée au temple Shôrin-ji.
【談山神社】Sanctuaire Tanzan-jinja
藤原氏の始祖、藤原鎌足を祭神として祀る神社。鎌足は中大兄皇子(後の天智天皇)とともに、645年の乙巳(いっし)の変で、有力豪族の蘇我入鹿を暗殺。森の中にたたずむ神社の境内には、高さ17 メートルの十三重の塔(678年建立、1532年再建)を擁する。
Ce sanctuaire est consacré à Fujiwara no Kamatari, fondateur du clan Fujiwara, qui, avec le prince Naka no Ôe (futur empereur Tenji), fit un coup d’État en 645 (incident d’Isshi) et assassina Soga no Iruka, membre du puissant clan Soga. Le sanctuaire, enfoui dans la forêt, garde la pagode à treize étages de 17 mètres de haut (construite en 678, reconstruite en 1532).
「けまり祭」Matsuri de kemari
毎年4月29日と11月3日に開催されている。けまりは、平安時代に宮中で行われていた足による古来の球技だが、こんにち参加者は宮廷の伝統的な装束を身に着け、足の甲を使って毬を蹴り、地面に触らぬようにする。
La cérémonie se tient chaque année le 29 avril et le 3 novembre. Kemari est un jeu ancien de balle au pied à la cour impériale à la période Heian, aujourd’hui les participants sont vêtus en habits de cour traditionnels et tapent la balle à l’aide de cou-de-pieds en essayant d’empêcher qu’elle touche le sol.
今年度のガイドクラブ散策は10月5日(土)に奈良県宇陀市室生の大野寺と室生寺を訪ねます。
◆参加費:会員1200円 一般1700円 (要予約)
◆申込先:Nasai206@gmail.com 浅井直子
◆講師:竹本寿史 (会員、室生寺ボランティアガイド)
◆講師からのメッセージ:女人高野の愛称で親しまれている室生寺。今は、真言宗のお寺であるが、歴史を紐解けば、法相宗興福寺の別院として創建されている。都より遠く離れた山間の地に、天平文化の粋を集めた国宝の五重塔や金堂が建てられたのは何故か? その金堂の内部には、国宝重文の仏達が、ところ狭しと配置されている。その並び方は、仏教の常識では考えにくいもので、謎に満ちている。何故なのか? 室生寺が辿ってきた歴史を語りながら、室生寺をご案内したいと思っています。
◆行程
12:30 近鉄室生口大野駅集合、大野寺まで散策、宇陀川岸から弥勒磨崖仏見物
13:01 大野寺前のバス停からバスに乗車
13:15 室生寺着
13:25~14:35 室生寺門前の「橋本屋」にてNHKドキュメント番組「室生寺」視聴、講師による解説、見どころ案内
14:35~15:45 室生寺境内散策
15:45~16:15 橋本屋にて喫茶休憩、参加者懇談、解散
16:20 室生口大野駅行きバス発
16:30~18:00 橋本屋にて有志による懇親会(参加費3000円)
18:00 橋本屋のバスにて室生口大野駅へ
◆行先紹介
【大野寺】 白鳳9年(681)役小角によって開かれ、天長元年(824)弘法大師が室生寺を開いた時、西の大門として寺堂を建立したとされる。鎌倉初期1207年興福寺の荘園だった時、宇陀川対岸に弥勒磨崖仏の造営が始まり、2年後後鳥羽上皇が列席して開眼供養が行われた。高さ100尺(33メートル)に近い弥勒巌に、窪みを切り込んで弥勒仏の立像が線刻されている。仏身の高さは蓮座ともで38尺(11.5メートル)、日本石仏史上重要例。
【室生寺】 奈良時代末期の宝亀年間(770-781)、東宮(後の桓武天皇)の病気平癒を願った興福寺の名僧賢憬(714-793)による創建。天武天皇の発願により役小角(役行者)が創建し、弘法大師が再興したとも伝えられる。室生の地は奇岩や洞穴が多く、洞穴は竜神の住み家として信仰を集め、祈雨や止雨の霊地とみなされていた。弘法大師が一夜にして建立したと伝承される国宝の五重塔は屋外ものでは国内最小。女性の参詣を認めたため女人高野と呼ばれるようになったのは、江戸時代以降。
【橋本屋】 日本を代表する写真家のひとり、土門挙が室生寺撮影のために常宿としていた料理旅館。玄関や廊下には土門氏の若き日の写真や「女人高野 挙」と記された最後の滞在時のサイン等が飾られている。
今年度のガイドクラブ散策では、10月13日(土)に奈良県吉野町の吉野川沿いの名所を訪ねます。
◆参加費:会員2000円 一般2500円 (定員15名、昼食代・バス料金込み、要予約)
◆申込先:Nasai206@gmail.com 浅井直子
◆当日はピエール・レニエさんがゲスト参加
◆行程
11:00 近鉄大和上市駅集合、吉野川沿いの「妹山・背山遠景地点」まで徒歩(20~30分)、写真撮影
12:00 「立野」バス停から、吉野町コミュニティバスに乗車、「宮滝」下車、吉野川渓流沿い櫻木神社方面散策
13:00 「まつや食堂」お座敷にて昼食
14:00 吉野離宮跡の「梅谷醸造元」(宮滝しょうゆ)見学
14:45 マイクロバスにて窪垣内へ向かう
15:15 「福西和紙本舗」工房見学
16:37 吉野町コミュニティバスに乗車
17:05 大和上市駅到着、解散(その後は、有志で飲み会)
◆案内
【妹山・背山】江戸時代、近松半二らの合作 『妹背山婦女庭訓』(いもせやまおんなていきん)は浄瑠璃や歌舞伎で上演され、吉野川をへだてた妹山と背山を背景にした敵同士の家の男女の悲恋物語は、舞台演出の見事さもあって、今なお人気演目となっています。「妹山」「吉野川」「背山」の3つを一望できる地点を訪れます。
【宮滝】 吉野というと今日では「花の吉野山」を思い浮かべる人がほとんどですが、万葉時代は、「桜」の吉野山は一首も詠まれておらず、大半は吉野川流域の土地に関係し、「山の吉野」よりも「川の吉野」が中心でした。雄略・斉明・天武・持統・文武・元正・聖武にいたるまで、明日香、藤原、平城の都からたびたび天皇が行幸し、中でも持統天皇は在位11年の間に31回も訪れ、吉野に特別な思い入れがあったようです。柿本人麻呂、山部赤人、大伴旅人ら、時の天皇にお供した宮廷歌人たちも、吉野で歌を詠んでいます。その一部を、ルネ・シフェール (René Sieffert) さんの仏訳Man.yôshû とともに、以下に紹介しましょう。
山川も 依りて仕ふる 神ながら たぎつ河内に 舟出せすかも 柿本人麻呂 巻1-39
La Souveraine divine
que viennent servir ainsi
les monts et rivière
dans le val aux eaux rapides
elle fait sortir sa barque
(Kakinomoto no Hitomaro)
み吉野の 象山のまの 木末には ここだも騒く 鳥の声かも 山部赤人 巻6-924
De Yoshino
au val de Kisayama
dans la ramure
ah le chant des mille oiseaux
qui mènent si grand tapage
(Yamabé no Akahito)
昔見し 象の小川を 今見れば いよよ清けく なりにけるかも 大伴旅人 巻3-316
Jadis j’avais vu
le ruisseau de Kisa
or à cette heure
je le vois plus que jamais
pur et limpide devenu
(Ôtomo no Tabito)
万葉から1250有余年の後、谷崎潤一郎は小説『吉野葛』(1931) で宮滝の岩の上に腰をおろして語り合う二人の青年を通じて、私達読者に母恋の身上話を聞かせてくれます。万葉の歌人から昭和の作家に至るまで、人は山深い吉野の渓流のほとりに来ると、何かしら心の奥底にある情動が呼び覚まされるのでしょうか? 現地を訪ねて、歌や小説の言葉の背後に流れる吉野川のせせらぎが聴きとれるようになれば、心はすでに「よき人のよしとよく見てよしと言ひし」吉野の「よき人」! 当日は『万葉集』や『吉野葛』のフランス語テクスト抜粋その他の参考資料を用意します。
【吉野の手漉き和紙】 la papier fait-main de Yoshino
「吉野手漉き和紙は、大海人皇子が養蚕と共に和紙の製法を吉野の人々に教えたのが始まりと言われ、その伝統と技術は1300年以上吉野の地で守られてきました。吉野では明治初期ごろには約200軒が手漉き和紙を作っていたそうですが、和紙需要の減少により、今では手漉き和紙を作っているのは6軒だけです。」
« La légende veut que le washi ait été introduit dans la région de Nara avec la sériciculture par le prince Ômano, futur empereur Tenmmu, il y a plus de 1300 ans, et que ces deux traditions aient été depuis lors protégées à Yoshino. Au début de l’ère Méiji (vers 1860-70), il y avait près de 200 papetiers à Yoshino, mais la baisse de la demande de washi a réduit ce nombre à 6. » (奈良県知事公室国際課発行「奈の良」第7号、フランス語版「Na no Ra」No7より抜粋、フランス語訳は奈良県国際交流員ジャンヌ・オストリーさんによるものです)
※ 10月に工房見学を予定している福西和紙本舗の手漉き和紙は、文化財の修復紙としてその品質が高い評価を受けており、ボストン美術館、大英博物館、フランスのルーブル美術館やギメ美術館の方々も見学に来られるそうです。
◆「勉強会」
✤講師:Pierre Régnier さん
✤日時:2017年9月16日(土)14:30~16:30
✤会場:奈良市西部公民館5階第4講座室
✤参加費:会員1000円、一般1500円(当日資料代含む)
✤内容:参加者は各自フランスの好きな所やフランス語を勉強している理由等を、簡単なフランス語で話す練習をします。勉強会後、レニエ先生が添削してくださいます。
◆「大神神社散策」と「利き酒体験」
✤講師:Pierre Régnier さん
✤日時:2017年10月14日(土)JR 三輪駅(桜井線)に14:00集合、同駅17:00解散。その後、有志にて飲み会。
✤参加費:会員1000円、一般1500円(今西酒造での利き酒体験料含む)
✤申込先:Nasai206@gmail.com (浅井)
今年度は、奈良県葛城市の「當麻寺」について、フランス語で紹介できるようになることが目標です。9月24日(土)に勉強会、10月15日(土)に當麻寺散策を予定しています。両日とも昨年同様ピエール・レニエさんを講師に迎えます。
◇9月24日(土)勉強会開催(14:30~16:30)
場所:奈良市西部公民館 第3講座室(近鉄学園前駅南改札口すぐ)
参加費:会員1000円 一般1500円(当日資料代含む、要予約)
申込先:Nasai206@gmail.com tel&fax 0743-74-0371(浅井)
「當麻曼荼羅」「中将姫伝説」等についてのフランス語による説明を学習し、さらには、参加者が各自の住む町や訪問先の紹介をする実践的な会話練習もできればと思います。
◇10月15日(土)當麻寺散策(14:00~17:00)
当日、近鉄南大阪線当麻寺駅に集合し、現地で解散。
見学:當麻寺曼荼羅堂・金堂・講堂、當麻寺中之坊(解散後有志で飲み会)
参加費:会員1500円 一般2000円(拝観料含む、要予約)
申込先:Nasai206@gmail.com tel&fax 0743-74-0371(浅井)
奈良は、『万葉集』あるいはもっとそれ以前の時代から現在に至るまで、大和や日本の内外から、様々な旅人を迎えて来た土地です。日本とフランスの文化交流活動に携わっている私たち奈良日仏協会では、かつて会員有志が「ガイドクラブ」を作り、奈良を訪れるフランス人にフランス語でガイドをするという活動をしていました。ここ数年中断されていましたが、この秋、会員のフランス人の友人を浄瑠璃寺に案内することになり、久しぶりに再開します。浄瑠璃寺は実際には「大和」ではなく「山城」に位置していますが、近鉄奈良駅からバスで25分くらいの所にあり、奈良観光と合わせて訪れることの多いお寺です。
◇9月19日(土)勉強会開催 (14:30~16:30)
奈良在住のピエール・レニエさんを講師にお迎えして、浄瑠璃寺のことをフランス語ではどのように紹介すればいいのか、一般的なことを習います。さらに、かつてこの寺に訪れた二人の旅人の文章を紹介し、彼らがここで何をどのように感じたのか考えてみます。ひとつは哲学者・和辻哲郎(1889-1960) の『古寺巡礼』(大正8年初版、昭和21年改版、浄瑠璃寺を訪れた時のことを記した部分とその仏訳)、もう一つは作家・堀辰雄(1904-1953) の『浄瑠璃寺の春』(昭和18年『大和寺・信濃路』所収、日本語のみ)です。以下に和辻の一節を紹介します。
「この心持ちは一体何であろうか。浅い山ではあるが、とにかく山の上に、下界と切り離されたようになって、一つの長閑な村がある。そこに自然と抱き合って、優しい小さな塔とお堂とがある。心を潤すような愛らしさが、すべての物の上に一面に漂っている。それは近代人の心にはあまりに淡きに過ぎ平凡に過ぎる光景ではあるが、しかしわれわれの心が和らぎと休息とを求めている時には、秘めやかな魅力をもってわれわれの心の底のある者を動かすのである。」
Quel sentiment était-ce donc? Certes, c’était une montagne peu profonde, mais tout de même, sur cette montagne, il y avait un village calme, comme s’il était détaché de ce bas monde. Et là, il y a cette élégante petite pagode et le pavillon du temple enlacés avec la nature. Au-dessus de tout cela, plane un charme adorable qui pourrait enrichir le cœur. C’est un paysage trop léger et trop banal pour le cœur de l’homme moderne, mais lorsque notre cœur a besoin d’harmonie et de repos, son charme discret fait vibrer quelque chose au fond de notre cœur.
外国人であれ日本人であれ、誰かにある場所のことを紹介する時、かつて訪れた人のことを知ると、自分自身の経験も深められるような気がします。10月10日の散策には参加できずとも勉強会のみの参加も歓迎です。
○参加費:会員500円 一般800円(当日配布資料代含む)
○場所:生駒市芸術会館美楽来・セミナー室1
○申込先:Nasai206@gmail.com (9月1日以降)tel&fax 0743-74-0371
◇10月10日(土)浄瑠璃寺散策 (12:45集合~16:15解散、その後、参加者有志で飲み会)
浄瑠璃寺は、平安時代に末法思想が流行った時に多数建立された九体阿弥陀堂が唯一残る貴重な寺院です。境内は、東には東方浄土の薬師如来を安置する三重塔(国宝)、西には西方浄土の阿弥陀如来を安置する本堂(国宝)が、中心には池があり、この形が「浄土式庭園」を形作り、仏教の中の極楽浄土の世界を表しているとされています。当日は、講師のピエール・レニエさんと客人のフランス人とともに、近鉄奈良駅で待ち合わせて、路線バスで浄瑠璃寺に向います。この日のみの参加可能。
○参加費:会員1500円 一般2000円(定員12名、要予約、バス代・拝観料込み)
○申込先:Nasai206@gmail.com (9月1日以降) tel&fax 0743-74-0371