シネクラブ

『自由の幻想』Le Fantôme de la liberté

第 64 回日仏シネクラブ例会案内:ルイス・ブニュエル特集②『自由の幻想』
64ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2024 年 9 月 29 日(日)13:30~17:00
    le dimanche 29 septembre 2024
◇会場:奈良市西部公民館 5 階第4講座室
    Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle 4
    (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『自由の幻想』Le Fantôme de la liberté, 1974, 104 min.)
◇監督:ルイス・ブニュエル Luis Buñuel
◇参加費:会員 200 円、一般 300 円
 200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 070-1731-0230(淺井) 予約不要

≪映画紹介≫
ルイス・ブニュエルの最後から二番目の映画『自由の幻想』 (1974) は、初期の『アンダルシアの犬』 (1929) や『黄金時代』 (1930) のシュルレアリスム作品の出発点に戻っています。フランス社会は変化し、カトリックは衰退し、道徳はひっくり返り、映画の観客はより文化的になり、ブニュエル自身は『ビリディアナ』(1961)でカンヌ国際映画祭のパルムドール受賞、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(1972)でオスカー最優秀外国語映画賞を受賞するなど、国際的に有名な映画監督となりました。しかし、彼の美学的なアプローチと世界観は、その破壊的な批評性を少しも失っていません。(ピエール・シルヴェストリ)

『小間使いの日記』Le Journal d’une femme de chambre

第63回日仏シネクラブ例会
63ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2024年6月30日(日)13:30~17:00   le dimanche 30 juin 2024
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
    Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) salle audiovisuelle
    (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『小間使いの日記』Le Journal d’une femme de chambre, 1964, 94 min.
◇監督:ルイス・ブニュエル Luis Buñuel
参加費:会員 200 円、一般 300 円  
    200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com   tel. 070-1731-0230(淺井)予約不要

≪映画紹介≫
ノルマンディー地方のブルジョワの家に、パリから小間使としてやってきたセレスティーヌ(ジャンヌ・モロー)。家の実権は夫人がにぎり、婿養子の夫(ミシェル・ピコリ)は無能な恐妻家。夫人の父親の隠居老人は、セレスティーヌを部屋に招き入れ彼女にブーツを履かせて悦にいる。ブルジョワジーの隠微な実態・モラルや官能のあり方が、セレスティーヌの眼を通じて暴かれてゆく。

ある日平穏だった田舎町でレイプされた少女の遺体が発見される。パリに帰ろうとしていたセレスティーヌは少女の事件のことを聞いて家にとどまる。彼女のとった行動は…?

音楽はいっさい使わず、列車の音・馬の蹄・教会の鐘などの現実音を豊富に使用。1900年だったオクターヴ・ミルボーの原作の設定を、監督のブニュエルは1928年(『アンダルシアの犬』が発表された年)に変えている。本作品を通じて、当時のヨーロッパ社会の動向へのブニュエルの批評的視線も読みとることができる。(淺井直子)

『想い出のマルセイユ』Trois Places pour le 26

第62回日仏シネクラブ例会案内
62ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2024年2月25日(日)13:30~17:00
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
     Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) shichôkaku-shitsu
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『想い出のマルセイユ』(Trois Places pour le 26, 1988, 103min.
     (ジャック・ドゥミ特集④)
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員 200 円、一般 300 円
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 070-1731-0230  ◇予約不要
◇映画紹介
 イヴ・モンタンがミュージカル公演に出演するために故郷のマルセイユ駅に到着する場面から始まります。冒頭、駅の階段で群舞とともにモンタンが歌って踊る姿が魅力的です。初老のモンタンには、長年、歌手・俳優としてキャリアを積んできたスターにしか出せないオーラ、枯れた味わい、優雅さがただよっています。自身の歩んできた人生を歌と踊りで振りかえる公演のために、マルセイユにやってきたモンタンですが、その舞台裏でかつての恋人と再会し、彼女から自分には娘がいたことを知らされます。
 ドゥミの作品におなじみの男女の出会い・別れ・すれ違い・再会・再出発の劇が、実人生と芝居が交錯しながらくり広げられます。様々な偶然に翻弄され、ほろ苦さを味わいながらも、生きていこうとする人物たち。モンタンは公演を終えると、次の公演の地へと旅立っていきます。人生は旅であり、旅は人生そのもの。本作品はドゥミの遺作となりました。(淺井直子)

『ロシュフォールの恋人たち』Les Demoiselles de Rochefort

第61回奈良日仏シネクラブ例会
61ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2023年10月29日(日)13:30~17:00 le dimanche 29 octobre 2023
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
     Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) shichôkaku-shitsu
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ロシュフォールの恋人たち』Les Demoiselles de Rochefort, 1967, 123min.
       (ジャック・ドゥミ特集③)
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com  tel. 070-1731-0230
◇予約不要

≪映画紹介≫
ジャック・ドゥミ特集3回目は、カトリーヌ・ドヌーブと実姉のフランソワーズ・ドルレアックが、双子の姉妹役で素敵な歌と踊りを披露してくれるミュージカル作品を紹介します。フランス南西部の港町ロシュフォールは年に一度の祭を前にして盛り上がっています。姉妹の母(ダニエル・ダリュー)がお祭り会場の広場の一角で営むカフェには、常連客や様々な人びとが出入りしています。監督のドゥミは、ミシェル・ルグランの音楽を用いて、スペクタクルに富むアメリカ風ミュージカルの華やかさ(ジョージ・チャキリスとジーン・ケリーを起用)とフランス的な色彩感覚やエスプリを見事に融合させ、歌・ダンス・港町の風景・秘められた人間ドラマを楽しめる極上の作品に仕上げています。(淺井直子)

『ロバと王女』Peau d’âne

第60回奈良日仏シネクラブ例会
60ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2023年7月30日(日)14:00~17:00 le dimanche 30 juillet 2023
◇会場:奈良市西部公民館5階視聴覚室
     Nara Seibu Kominkan 5-kai (4er étage) shichôkaku-shitsu
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ロバと王女』Peau d’âne, 1970, 90min.
       (ジャック・ドゥミ特集⓶)
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com  tel. 090-8538-2300
◇予約不要

≪映画紹介≫
ジャック・ドゥミ特集の2弾目として、ミシェル・ルグランの音楽、カトリーヌ・ドヌーブの主演によるミュージカル『ロバと王女』(原題「ロバの皮Peau d’âne」1970年)を取り上げます。同じトリオにより制作された『シェルブールの雨傘』(1964年)『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)に続く作品ですが、前二作がドゥミ自身により脚本が書かれたのに対して、こちらは原作があります。「眠れる森の美女」などで知られるシャルル・ペロー『昔話集』(17世紀末)のなかの一篇「ロバの皮」で、フランスではよく知られた物語です。ただ、内容が近親相姦的欲望を描いたものなので、日本の子ども向けの本には収録されていないようです。この題材をもとに、ドゥミは、華麗な色彩で繰り広げられる魅惑的な恋愛ファンタジーを作り上げました。フランス国内の観客動員数は220万人にのぼり、ドゥミ最大のヒット作となりましたが、きっと家族連れが映画館へ詰めかけたのでしょう。(三野博司)

『ローラ』Lola

第59回奈良日仏シネクラブ例会
59ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2023年2月26日(日)14:00~17:00 le dimanche 26 février 2023
◇会場:奈良市西部公民館4階 第1・第2会議室  
     Nara Seibu Kominkan 4-kai (3er étage) salle 1, 2
     (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ローラ』Lola, 1961, 88min.
◇監督:ジャック・ドゥミ Jacques Demy
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 090-8538-2300(予約不要)

≪映画紹介≫
アニエス・ヴァルダ特集に続いて、彼女の夫ジャック・ドゥミの作品を紹介します。『シェルブールの雨傘』(1964) や『ロシュフォールの恋人たち』(1967) で知られる監督の長編第一作が『ローラ』(1961) です。舞台はドゥミの故郷でもある港町ナント。「ローラ」の名前でキャバレーの契約歌手兼ダンサーとして働きながら幼い息子イヴォンを育てるセシル(アヌーク・エーメ)。イヴォンは初恋の男性ミシェル(ジャック・アルダン)との忘れ形見。セシルは 7 年も音沙汰のないミシェルを待ち続けます。彼女は、ナントに一時滞在中のアメリカ人水兵フランキーに口説かれたり、10 数年ぶりに偶然再会した幼なじみのロラン(マルク・ミシェル)からプロポーズされても、ひたすらミシェルへの愛を貫こうとします。港町ナントでは様々な人々が出会い、それぞれ夢のような時を過ごし、やがて町を去り、戻り、また旅立っていきます。ミシェル・ルグランの音楽、ナントの町の「ポムレー路地」他のモノクロ映像が詩情をそえ、近年、『男と女 人生最良の日々』(2019) で 80 代後半になってもなお内面から輝く美しさで観客を魅了した女優アヌーク・エーメの、若き日の美しさが光ります。

『ラ・ポワント・クールト』La pointe courte

第58回奈良日仏シネクラブ例会
58ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2022年10月30日(日)14:00~17:00 le dimanche 30 octobre 2022
    開始時間がいつもより30分遅いのでご注意ください。
◇会場:奈良市西部公民館4階 第1・第2会議室
    Nara Seibu Kominkan 4-kai (3er étage) salle 1, 2
    (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『ラ・ポワント・クールト』La pointe courte, 1955, 80min.
       (アニエス・ヴァルダ特集②)
◇監督:アニエス・ヴァルダ Agnès Varda
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 090-8538-2300(予約不要)

≪映画紹介≫
アニエス・ヴァルダの長編劇映画デビュー作。故郷南仏セート近郊の漁村に久しぶりに戻ってきた夫とパリから彼についてきた妻、彼らは村を散策しながらふたりの関係を回想する。彼らの話と並行して、セートの漁村に生きる人々の暮らしやセートの町の船祭を背景にした土地の人々の大小様々なドラマがくり広げられる。二つの物語が交替しながら進行するドキュメンタリー風フィクション。モノクロの映像が時代の雰囲気を醸し出す。セートは、ヴァルダ自身が第二次大戦中にベルギーから疎開して子供時代を過ごした土地で、母の故郷でもある。

『落穂拾い』Les Glaneurs et la glaneuse

第57回 奈良日仏シネクラブ例会
57ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2022年7月31日(日)14:00~17:00  le dimanche 31 juillet 2022
    開始時間がいつもより30分遅いのでご注意ください。
◇会場:奈良市西部公民館4階第1・第2会議室 
    Nara Seibu Kominkan 4-kai (3er étage) salle 1, 2 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『落穂拾い』Les Glaneurs et la glaneuse, 2000, 82min.
◇監督:アニエス・ヴァルダ Agnès Varda
◇参加費:会員200円、一般300円 
     200 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com   tel. 090-8538-2300(予約不要)

◇監督アニエス・ヴァルダ Agnès Varda (1928~2019):ベルギー生まれ。ギリシャ人の父とフランス人の母を持つ。第2次大戦中、戦火を逃れて南仏セートに家族で疎開。ソルボンヌ大学で文学と心理学、ルーブル学院で美術史、写真映画学校で写真を学ぶ。はじめは写真家として活動するが1954年、映画『ラ・ポワント・クールト』を26歳で自主製作、ヌーヴェルヴァーグに先立つ先駆的な作品として評価される。1962年、のちに『シェルブールの雨傘』の監督で知られるジャック・ドゥミと結婚。子育てしながら精力的に映画を撮り続け、数々の賞を受賞する。2019年2月、60年以上に及ぶ自らの創作を語った『アニエスによるヴァルダ』を携えてベルリン国際映画祭に出席。その直後の3月にパリの自宅で息を引き取る。享年90歳10カ月。

≪映画紹介≫
今から22年前、2000年に公開された作品だが、今日見ても啓発される。オルセー美術館のミレーの絵画『落穂拾い』に描かれた女性たちの、腰をかがめて「拾うglaner」姿勢からヴァルダの連想が広がり、小型カメラを携えて旅に出る。今なお落穂拾いをする人々、機械化された麦やジャガイモの収穫と規格外の作物が廃棄される現実、ブルゴーニュのブドウ畑に摘み残しをとりにくる人、ヴァンデ地方ノワールムーティエの養殖牡蠣の取り残しを持ち帰る人、パリの市場で捨てられた野菜を拾って食べる人、拾ったものを生かして芸術創造をする人、ボランティアで移民にフランス語を教える人…。フランス社会の様々な人々の存在や生き方が映し出される。その過程で、ヴァルダ自身「採集」が自らの存在や芸術創造のあり方の認識を深める契機となっていることに気づく。とりわけ、ミレーの『落穂拾い』に続いて、アラス美術館のジュール・ブルトン『落穂拾いの女』、ボーヌの施療院のファン・デル・ウェイデン『最後の審判』、日本の百貨店の美術展のレンブラントの自画像、ヴィルフランシュ・シュル・ソーヌの美術館のエドワン『嵐を避ける落穂拾い』等、各地での絵画との出会いが、彼女に啓示をもたらしている。

『めぐり逢う朝』Tous les matins du monde

第56回 奈良日仏協会シネクラブ例会
56ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2021年2月28日(日)13:30~17:00  le dimanche 28 février 2021
◇会場:生駒市セイセイビル2階206会議室 Ikoma Seiseibiru 1er étage salle 206
◇プログラム:『めぐり逢う朝』Tous les matins du monde, 1991, 115 minutes
◇監督:アラン・コルノー Alain Corneau
◇参加費:会員100円、一般300円 
     100 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇懇親会:中止 Annulation de la réunion amicale
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com   tel. 090-8538-2300(予約不要)

≪映画紹介≫
17世紀フランスのバロック時代の音楽家サント=コロンブ(作曲家、ヴィオール演奏者)の人生と、彼に師事して名をなしたマラン・マレとの師弟関係を描いた作品。サント=コロンブは著名な音楽家として名声を博した実在の人物だが、その生涯はほとんど知られていない。物語は彼の音楽を愛する小説家パスカル・キニャールが創造したフィクション。音楽・映像・衣裳・演技・台詞・語りが見事に照応した、アラン・コルノー監督の傑作。音楽と絵画、芸術創造と実人生、演奏家の愛と魂、人間の生の儚さ、愛の残酷さと美しさ、そして世界の神秘……。

アラン・コルノー監督は神秘的な部分を描くのに、谷崎潤一郎の随筆「陰翳礼讃」、溝口健二の映画『雨月物語』と『新平家物語』を参考にしたという。映画の原作者パスカル・キニャールは、ギリシア・ローマから中国・日本の古典に至る古今東西の文学に通じた博覧強記の作家だが、この小説は『今昔物語』を下敷きにしたという。武満徹はこの映画を観た時に「不思議な懐かしさと、親しみを覚えた」と記している。

マラン・マレの役は、青年期は息子のギョーム・ドパルデュー、成人後は父ジェラール・ドパルデューの父子が演じている。37歳で早世してしまったギョーム20歳の時のデビュー作でもあった。

映画を通じて、サント=コロンブが弟子を通じて後世に残したヴィオールの音色に触れ、目に見えないものの存在に想いをはせることができる。音楽家は芸術のために身を投じるのか、人々に聴いてもらうために作品を作るのか、との問いかけもなされている。(淺井直子)

『冬物語』Conte d’hiver

第55回 奈良日仏協会シネクラブ例会
55ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時:2020年10月25日(日)13:30~17:00  le dimanche 25 octobre 2020
◇会場:生駒市セイセイビル2階206会議室 Ikoma Seiseibiru 1er étage salle 206
◇プログラム:『冬物語』Conte d’hiver, 1991, 114 minutes
◇監督:エリック・ロメールEric Rohmer
◇参加費:会員100円、一般300円 
100 yens pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇懇親会:中止
Annulation de la réunion amicale
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com tel. 090-8538-2300(予約不要)

≪映画紹介≫
「シリーズ」作品の多いロメールは1990年代に「四季物語」シリーズを構想、その二作目が『冬物語』。フェリシー(シャルロット・ヴェリ)は、夏のブルターニュで出会ったシャルル(フレデリック・ヴァン・デン・ドリーシュ)と情熱的な恋をするが、駅で彼に教えた自宅の住所が誤っていたため、二人は音信普通となってしまう。それから5年後の12月のパリ、フェリシーは5歳の娘エリーズを育てながら、美容院で働く。インテリの男友達ロイックと美容院のオーナーで生活力旺盛なマクサンスの2人の男の愛を受け入れながら、心の中では娘の父のシャルルのことを想い続ける。映画では3人の男性への愛を通じて、幸福を追い求めるフェリシーの気持ちの揺れが、リアルに描かれる。ヌヴェールの大聖堂での啓示、パリで観たシェークスピア劇『冬物語』からの啓示を経て、やがて「奇跡」の瞬間が訪れる。(浅井直子)

『冬物語』は、フェリシーとシャルルの牧歌的な映像、夏の映像とともに始まる。フェリシーの心は以来、その残像に固着したままだが、(美容室の)店の主人マクサンスと関係を持つ。シャルルは、実際、彼女の生涯をかけた恋人、娘のエリーズの父親であり続ける。フェリシーはヌヴェールの大聖堂で啓示を受けると、やはりマクサンスと別れることにする。彼女はロイックのところに戻るが、彼に抱くのは愛情に満ちた友情で、やさしく接してもまともには相手にしていない。彼と一緒に暮らすほどの愛はない。この映画は、フェリシーの迷いの円舞曲であり、公共交通機関の物語でもある。エリック・ロメールは身軽なチームを組んで撮影する。そのためメトロ、列車、バスの中でフェリシーをたやすく追いかけることができる。映画作家ロメールは、自分の映画を、可能な限り現実の反映とするために、さまざまな工夫を行った。冬の感触をだすためにあえて華々しさを避けて撮影している。薄暗い色調が支配的で、衣装や背景に輝きがないのは意図的である。フェリシーがはじめて訪れたときのヌヴェールの町でさえも、人気がなく、まるで死んでいるかのようだ。
Conte d’hiver commence avec des images d’été, celles de l’idylle entre Félicie et Charles. Le cœur de celle-ci est depuis lors resté fixé sur ces images, bien qu’elle ait une liaison avec son patron Maxence. En effet, Charles reste l’amour de sa vie et le père de sa fille Elise. Elle quittera d’ailleurs Maxence après avoir eu une illumination dans la cathédrale de Nevers. Ce qui la ramène vers Loïc avec qui elle entretient une amitié amoureuse et dont elle se moque gentiment. Elle ne l’aime pas assez pour vivre avec lui. C’est la valse des hésitations pour Félicie. C’est le conte des transports en commun. Eric Rohmer filme en équipe légère, il lui est donc plus facile de suivre Félicie dans le métro, dans le train ou encore dans le bus. Le cinéaste a fait beaucoup de recherches afin que son film soit le reflet le plus fidèle possible de la réalité. Pour donner une touche hivernale, il a choisi de tourner sans éclat. Les couleurs sombres dominent alors que les costumes et les décors sont ternes exprès. Même la ville de Nevers lors de la première visite de Félicie est vide de monde, comme morte.  (Pierre Silvestri)