最新情報

「室生寺散策」

今年度のガイドクラブ散策は10月5日(土)に奈良県宇陀市室生の大野寺と室生寺を訪ねます。

◆参加費:会員1200円 一般1700円 (要予約)
◆申込先:Nasai206@gmail.com 浅井直子
◆講師:竹本寿史 (会員、室生寺ボランティアガイド)
◆講師からのメッセージ:女人高野の愛称で親しまれている室生寺。今は、真言宗のお寺であるが、歴史を紐解けば、法相宗興福寺の別院として創建されている。都より遠く離れた山間の地に、天平文化の粋を集めた国宝の五重塔や金堂が建てられたのは何故か? その金堂の内部には、国宝重文の仏達が、ところ狭しと配置されている。その並び方は、仏教の常識では考えにくいもので、謎に満ちている。何故なのか? 室生寺が辿ってきた歴史を語りながら、室生寺をご案内したいと思っています。

◆行程
12:30 近鉄室生口大野駅集合、大野寺まで散策、宇陀川岸から弥勒磨崖仏見物
13:01 大野寺前のバス停からバスに乗車
13:15 室生寺着
13:25~14:35 室生寺門前の「橋本屋」にてNHKドキュメント番組「室生寺」視聴、講師による解説、見どころ案内
14:35~15:45 室生寺境内散策 
15:45~16:15 橋本屋にて喫茶休憩、参加者懇談、解散
16:20 室生口大野駅行きバス発 
16:30~18:00 橋本屋にて有志による懇親会(参加費3000円)
18:00 橋本屋のバスにて室生口大野駅へ

◆行先紹介

【大野寺】 白鳳9年(681)役小角によって開かれ、天長元年(824)弘法大師が室生寺を開いた時、西の大門として寺堂を建立したとされる。鎌倉初期1207年興福寺の荘園だった時、宇陀川対岸に弥勒磨崖仏の造営が始まり、2年後後鳥羽上皇が列席して開眼供養が行われた。高さ100尺(33メートル)に近い弥勒巌に、窪みを切り込んで弥勒仏の立像が線刻されている。仏身の高さは蓮座ともで38尺(11.5メートル)、日本石仏史上重要例。

【室生寺】 奈良時代末期の宝亀年間(770-781)、東宮(後の桓武天皇)の病気平癒を願った興福寺の名僧賢憬(714-793)による創建。天武天皇の発願により役小角(役行者)が創建し、弘法大師が再興したとも伝えられる。室生の地は奇岩や洞穴が多く、洞穴は竜神の住み家として信仰を集め、祈雨や止雨の霊地とみなされていた。弘法大師が一夜にして建立したと伝承される国宝の五重塔は屋外ものでは国内最小。女性の参詣を認めたため女人高野と呼ばれるようになったのは、江戸時代以降。

【橋本屋】 日本を代表する写真家のひとり、土門挙が室生寺撮影のために常宿としていた料理旅館。玄関や廊下には土門氏の若き日の写真や「女人高野 挙」と記された最後の滞在時のサイン等が飾られている。

第143回フランス・アラカルト「フランス・ドイツと日本での日本語学習体験」

第143回 フランス・アラカルト「フランス・ドイツと日本での日本語学習体験」

✤日時: 8月31日(土) 15:00~17:00
✤会場: 野菜ダイニング「菜宴」  奈良市小西町19 マリアテラスビル2F
✤会費: 会員1000円 一般1500円 (飲み物付)
✤定員: 20名(要予約) 
✤問合せと申込先: ssnoda@skyblue.ocn.ne.jp tel:0742-49-3249(薗田)
 (8/7~8/16の期間はすぐにお返事できません)
✤ゲスト: エレナ・ファーユ(Élena Faye) さん        
(略歴)早い時期から日本に惹かれ、パリのフランス国立東洋言語文化学院(Inalco)で、日本学と日本語を学び、学士課程と修士課程を修了。交換留学生として京都大学に在籍中に明治期の日本文学を学ぶ。現在は京都のヴィラ九条山の研修生。父は『みどりの国滞在日記』(三野博司訳)など4冊の邦訳がある作家のエリック・ファーユ(Eric Faye)氏。

✤ゲストからのメッセージ:
Le Japon et la langue japonaise sont depuis très longtemps déjà source d’admiration en Occident. Or on ne peut comprendre un pays et sa culture sans tenter d’étudier sa langue. En France et dans de nombreux autres pays d’Europe sont enseignées les “Etudes japonaises”, un cursus alliant étude de la langue et de la civilisation japonaise. A travers mes différentes expériences d’étude de cette langue en France, en Allemagne et au Japon, je vais vous présenter l’enseignement du japonais à l’étranger et au Japon, et les difficultés qui peuvent être rencontrées sur le long chemin qu’est l’apprentissage du japonais.
日本や日本語に対してはずいぶん昔から西洋では興味のもととなっていますが、言葉を学ぼうとせずしてその国や文化を理解することはできません。フランスをはじめとするヨーロッパ諸国においては、語学と文明の研究が組み合わされた「日本学」が、大学の課程で教えられています。フランス・ドイツ・日本において、日本語を学んできた私の経験を通じて、海外と日本における日本語教育について、また日本語習得の長い過程で出会う困難について、お話ししたいと思います。(フランス語と日本語の両方で話します)。

『王妃マルゴ』La Reine Margot

第52回 奈良日仏協会シネクラブ例会の案内
52ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時2019年9月8日(日)13:00 ~17:00  le dimanche 8 septembre 2019
◇生駒市セイセイビル2階206会議室 Ikoma Seiseibiru 1er étage salle 206
◇プログラム:『王妃マルゴ』La Reine Margot, 1994, 160 minutes
◇監督:パトリス・シェロー Patrice Chéreau
◇参加費:会員無料、一般300円 
gratuit pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇懇親会:例会終了後「カルメシ茶屋」にて Réunion amicale au restaurant Karumeshi-chaya
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com(例会・懇親会とも予約不要)

≪映画紹介≫
彼女は美しいカトリック教徒でフランス王の妹、その名はマルグリット・ド・ヴァロワ。マルゴと呼ばれていた。彼はプロテスタントで礼儀知らず、髭の手入れもあまりせず大蒜と汗の匂いがするといわれている。その名はアンリ・ド・ナヴァール。二人は無理やり結婚させられた。宗教戦争によって引き裂かれたフランスを和解させる必要からの政治的策略だった。シャルル9世、アンジュー公、アランソン公のマルゴの3人の兄たちは、彼女を愛し、愛し過ぎていた。いかがわしくて独占欲の強い愛着だった。それでも彼らはみなその場にいて談笑し踊り、楽しむ風を装っていた。この家族の長はカトリーヌ・ド・メディシス。彼女は子供たちに表裏ある言動と権力への愛着を教えた。しかし8月の猛暑のさ中、憎しみと不安が、やがてすべてを封じこめようとしていた。
『王妃マルゴ』は、制作のクロード・ベリによって長いあいだ温められていた企画で、フランス史やアレクサンドル・デュマの小説に密着するよりむしろ私たちの時代の鏡に移し変えることで、瀕死の状態にある時代映画のジャンルを救い出そうと、当時の紛争(湾岸戦争、バルカン戦争、…)を拠りどころとした作品である。
監督のパトリス・シェローは、ダニエル・トンプソン(シナリオ)と協力して、センセーショナルな現代性全体をぼかすために、元の小説から本質のみ引きだして翻案し、欲望や神経症として際立たせ、源にある文学だけでなく、属しているジャンルをも超越した。フランス映画史において、このジャンルをまだ到達したことのない高みにまで押し上げ、画面を深紅の赤の血しぶきでぬらし、フレームに嘔吐をもよおさせるような悪臭を散りばめた。
シェローは、『ゴッドファーザー』のようなシチリア島の一族の物語という自らの主題に取り組み、ゴヤの絵画のように美しく、スコセッシの映画のように激しい、バロック的で暴力的な映画を誕生させた。彼は、デュマの小説を練り上げて、マルグリットの人物像をロマンチックというだけでなく、性愛と淫欲を抱いた複雑で熱狂的な女性像に仕立てながら、王国の退廃的で、きな臭いヴィジョンを作り上げた。(ピエール・シルヴェストリ)

Elle est belle, elle est catholique, elle est la sœur du roi, elle s’appelle Marguerite de Valois. Son frère l’a surnommée Margot. Il est protestant, on dit qu’il est mal élevé, mal rasé, qu’il sent l’ail et la sueur. Il s’appelle Henri de Navarre. On les marie de force. C’est une manœuvre politique : il faut réconcilier les Français déchirés par les guerres de religion. Ils sont trois frères, le roi Charles IX, Anjou son cadet et Alençon le plus jeune. Ils aiment Margot, ils l’aiment trop, d’une passion équivoque et possessive. Pourtant ils sont tous là, ils rient, ils dansent, ils font semblant de s’amuser. Le chef de cette famille, c’est Catherine de Médicis. Elle a appris à ses enfants la duplicité et l’amour du pouvoir. Mais dans la canicule de ce mois d’août terrible la haine et la peur vont bientôt tout étouffer.
Projet de longue date impulsé par Claude Berri, La Reine Margot cherche moins à coller au plus près de l’histoire de France ou au roman d’Alexandre Dumas qu’à sortir le genre moribond du film d’époque en le transformant en miroir de notre temps, l’œuvre prenant appui sur des conflits de l’époque (guerre du Golfe, guerre des Balkans…) afin de voiler l’ensemble d’une modernité fracassante.
Ne retenant du roman éponyme que l’essentiel, l’adaptant, le modelant à ses envies et ses névroses, Chéreau, aidé par Danielle Thompson au scénario, transcende non seulement sa source littéraire mais également le genre auquel il appartient, le propulsant à des cimes encore jamais atteintes dans le cinéma français, éclaboussant l’écran d’un rouge écarlate et empuantissant le cadre d’une fragrance nauséabonde.
Abordant son sujet comme une véritable saga sicilienne, Chéreau accouche d’un film baroque et violent, beau comme un tableau de Goya et brutal comme un film de Scorsese. Il malaxe le roman de Dumas pour en faire une vision décadente et sulfureuse de la royauté, faisant du personnage de Marguerite non plus une figure romantique mais un portrait de femme complexe et fiévreux, sentant le sexe et la luxure.

『未来よ こんにちは』L’Avenir

第51回 奈良日仏協会シネクラブ例会の案内
51ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時2019年7月28日(日)13:30~17:00  le dimanche 28 juillet 2019
◇奈良市西部公民館5階第4講座室
Nara Seibu Kominkan, 5-kai (4ème étage) salle 4 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム:『未来よこんにちは』(L’Avenir, 2016年, 102 分)
◇監督:ミア・ハンセン=ラヴ Mia Hansen-Løve 
◇参加費:会員無料、一般300円 
gratuit pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇飲み会:例会終了後「味楽座」にて Réunion amicale au restaurant Miraku-za
◇例会・飲み会とも予約不要
◇問合わせ:Nasai206@gmail.com(予約不要)

≪スタッフ≫ Fiche technique
監督 ミア・ハンセン=ラヴ Mia Hansen-Love
脚本 ミア・ハンセン=ラヴ Mia Hansen-Love, サラ・ル・ピカール Sarah le Picard,
ソラル・フォルト Solal Forte
撮影 ドニ・ルノワール Denis Lenoir
美術 アナ・ファルゲール Anna Falguères
編集 マリオン・モニエ Marion Monnier
録音 ヴァンサン・ヴァトゥー Vincent Vatoux, オリヴィエ・ゴワナール Olivier Goinard
衣装 ラシェール・ラウー Rachèle Raoult
制作 シャルル・ジリベール Charles Gillibert

≪キャスト≫ Distribution
ナタリー  イザベル・ユペール Isabelle Huppert
ハインツ アンドレ・マルコン Andre Marcon
ファビアン ローマン・コリンカ Roman Kolinka
イヴェット エディット・スコブ Edith Scob
クロエ サラ・ル・ピカール Sarah le Picard
ヨアン ソラル・フォルト Solal Forte
エルザ エリーズ・ロモー Elise Lhomeau
ユゴー リオネル・ドレー Lionel Dray

≪映画紹介≫
 「女優たちの輝き」シリーズ第2回はイザベル・ユペールを紹介します。セザール賞主演女優賞14回ノミネートの史上最多記録を持つ役柄の幅広さは、彼女のすぐれた演技力と特異な存在感の証。ミア・ハンセン=ラヴは女優から映画批評家を経て映画監督となった経歴の持ち主です。(浅井直子)

 ナタリー(イザベル・ユペール)はパリのリセの哲学教師。仕事に情熱を持ち、自分なりの思考をすることを生徒に伝えようとする。二人の子供の母親として家族で暮らし、昔の教え子たちや独占欲の強い母親との時間も大事にする。ある日夫は別の女性と暮らすために家を出ると告げる。彼女は自由を前にして、自分の生活に新たな意味を見出そうとする。
 監督ミア・ハンセン=ラヴのこれまでの4本の映画を見て好きになった人は、彼女の映画の特異性のすべてが含まれるこの映画にもとまどうことはないだろう。明快な物語の進展、登場人物の巧みな描き方、不確実な感情、仕事と個人的事情、家族関係と社会的地位、現実と理想などの間で揺れ動く複雑な状況。こうしたことの連続は、一見すると取るに足りないように思われるが、映画と人生の長い時間の中で積み重ねられることによって、小説的な意味やその広がりすべてを特徴づけるに至っている。監督は各シーンを配置するために時間をとって、家族の食事、ナタリーの著書を出版する編集者の新しい販売方針との不調に終わる会談、教室での授業、かつての教え子との知的な意見交換、夫との議論や押しが強くヒステリックな母親との口論の繰り返し等の場面を通じて、ナタリーの人物像と彼女の周囲の人々や彼女の環境が少しずつ明らかにされていく。(ピエール・シルヴェストリ)

『ルージュの手紙』 Sage femme

第50回 奈良日仏協会シネクラブ例会の案内 
50ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時 2019年2月24 日(日) 13:30~17:00 le dimanche 24 février
◇会場 奈良市西部公民館5階第4講座室
 Nara Seibu Kominkan, 5-kai (4ème étage) salle 4 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム 『ルージュの手紙』(Sage femme, 2017年, 117分)
◇監督 マルタン・プロヴォ Martin Provost
◇参加費  奈良日仏協会会員・学生:無料、一般:300円
gratuit pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇飲み会  例会終了後「味楽座」にて
Réunion amicale au restaurant Miraku-za
◇例会・飲み会とも予約不要
◇問い合わせ 浅井直子 Nasai206@gmail.com

≪スタッフ≫ Fiche technique
監 督  マルタン・プロボ
脚 色  マルタン・プロボ
撮 影  イブ・カペ
美 術  ティエリー・フランソワ
衣 裳  バテシバ・ドレフュス
音 楽  グレゴワール・エッツェル
編 集  アルベルティーヌ・ラステラ
製 作  オリビエ・デルボス
製作総指揮  クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル

≪キャスト≫ Distribution
クレール    カトリーヌ・フロ
ベアトリス   カトリーヌ・ドヌーブ
ポール     オリビエ・グルメ
シモン     カンタン・ドルメール
ロランド    ミレーヌ・ドモンジョ
病棟主任    オドレイ・ダナ
セシール    ポーリーヌ・エチエンヌ

≪映画紹介≫
 主人公クレール(カトリーヌ・フロ)の職業は「助産婦」(Sage femme)、それがこの映画の原題です。映画はクレールが働く病院での出産シーンから始まり、この世に生を受けたばかりの新生児や周囲の人々の安堵と幸福感にみちた表情、決して楽ではない仕事に達成感と疲れをおぼえつつ、一日を無事に終えて夜遅くひとり自転車で帰宅するクレールの姿が、たんたんと映しだされていきます。ひとり息子のシモン(カンタン・ドルメール)は独立して今は一人で暮らすクレール。休日にはセーヌ川沿いの小さな菜園で野菜作りにいそしみ、隣の菜園で彼女と同じように趣味で農業をしているトラック運転手のポール(オリビエ・グルメ)とも気軽に言葉を交わします。
 平凡ながら充実した日常を送るクレールの目の前に、ある日突然、消息不明だった義母ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)が姿を現わします。ベアトリスはクレールとは対照的に、お酒とギャンブルが好きで自由を謳歌する生き方をしてきた女性。物語が進展するにつれて、対照的な二人の女性の性格や生き方が少しずつ浮き彫りになり、観客としては二人のいずれにも共感又は反感を覚える面があることに気づくかもしれません。
 カトリーヌ・フロとカトリーヌ・ドヌーヴ、二人とも数多くの映画に主演してきたフランスを代表するヴェテラン女優。二人の共演がなんといってもこの映画のみどころです。二人とももう若くはないけれど、自らの人生を歩んできた女優そして人間としての存在感が、登場人物のクレールとベアトリスにいっそうの生命力と輝きを与え、この映画を味わい深くしているように思います。後半部になって二人の女性と関わってくるトラック運転手のポールを演じるオリヴィエ・グルメ(ダルデンヌ兄弟監督『息子のまなざし』(2002) でカンヌ映画祭男優賞受賞)もまた、二人の女優にまけない独特の持ち味を発揮して、観客を楽しませてくれます。
 新たに迎える一日が、たとえ不確かな未来の始まりかもしれなくても、愛する人と別れることになるかもしれなくても、自分らしく生きていこうとする、登場人物たちの姿に思わず乾杯したくなるような作品です。 (浅井直子)

『山猫』 Le Guépard

第49回 奈良日仏協会シネクラブ例会の案内
49ème séance du ciné-club de l’Association Franco-Japonaise de Nara

◇日時 2018年11月25 日(日) 13:00~17:00 le dimanche 25 novembre
◇会場 奈良市西部公民館4階第2会議室 Nara Seibu Kominkan, 4-kai (3ème étage) salle 2 (près de la gare Kintetsu Gakuenmae)
◇プログラム 『山猫』(Le Guépard, 1963年, 186分)
◇参加費  奈良日仏協会会員・学生:無料、一般:300円
gratuit pour membres et étudiants, 300 yens pour non-membre
◇飲み会  例会終了後「味楽座」にて Réunion amicale au restaurant Miraku-za
◇例会・飲み会とも予約不要
◇問い合わせ 浅井直子 Nasai206@gmail.com

(スタッフ)
監 督 ルキーノ・ヴィスコンティ Luchino Visconti
原 作 ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ Giuseppe Tomasi di Lampedusa
脚 色 スーゾ・チェッキ・ダミーコ Suso Cecchi D’Amico
    エンリコ・メディオーリ Enrico Medioli
   パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ Pasquale Festa Campanile
   マッシモ・フランチョーザ Massimo Franciosa
   ルキーノ・ヴィスコンティ Luchino Visconti
撮影・完全復元版監修
ジュゼッペ・ロトゥンノ Giuseppe Rotunno
美 術 マリオ・ガルブリア Mario Garbuglia
装 飾 ジョルジョ・ペス Giorgio Pes
    ラウドミア・エルコラーニ Laudomia Hercolani
衣 裳 ピエロ・トージ Piero Tosi
音 楽 ニーノ・ロータ Nino Rota
使用曲 ジュゼッペ・ヴェルディ「華麗なるワルツ」
指 揮 フランコ・フェルラーラ Franco Ferrara
演 奏 サンタ・チェチリア交響楽団 Symphony Orchestra of Santa Cecilia
編 集 マリオ・セランドレイ Mario Serandrei
製 作 ゴッフレード・ロンバルド Goffredo Lombardo

(キャスト)
ドン・ファブリツィオ サリーナ公爵…バート・ランカスター Burt Lancaster
公爵の甥 タンクレディ…アラン・ドロン Alain Delon
アンジェリカ・セダーラ…クラウディア・カルディナーレ Claudia Cardinale
ドン・カロージェロ・セダーラ…パオロ・ストッパ Paolo Stoppa
公爵夫人 マリア・ステッラ…リーナ・モレッリ Rina Morelli
ピローネ神父…ロモーロ・ヴァッリ Romolo Valli
ドン・チッチョ・トゥメオ…セルジュ・レジアニ Serge Reggiani
パラヴィチーニ大佐…イーヴォ・ガッラーニ Ivo Garrani
シュヴァレ…レスリー・フレンチ Leslie French
カヴリアーギ伯爵…マリオ・ジロッティ(テレンス・ヒル) Mario Girotti
フランチェスコ・パオロ(公爵の長男)…ピエール・クレマンティ Pierre Clementi
コンチェッタ(公爵の長女)…ルチッラ・モルラッキ Lucilla Morlacchi
ガリバルディ軍の将軍…ジュリアーノ・ジェンマ Giuliano Gemma
カロリーナ(公爵の次女)…イーダ・ガッリIda Galli
カテリーナ(公爵の三女)…オッタヴィア・ピッコロ Ottavia Piccolo
パオロ(公爵の次男)…カルロ・ヴァレンツァーノ Carlo Valenzano

『パリの灯は遠く』、『仁義』、『サムライ』に引き続くアラン・ドロン特集しめくくりの第四弾。今回は、時代をさかのぼり1860年国家統一を叫ぶガリバルディ将軍率いる赤シャツ隊が上陸するシチリア島が舞台です。落日を前にした名門貴族の当主の悠揚迫らざる決断と新時代へ飛び込む若者たち。自然、土地、街、交通、屋敷、人々、衣装、光、音・・・。その時代その場所へタイムスリップしたような臨場感、登場人物の語る言葉のひとつひとつが重みをもって伝わる精緻な大作です。バート・ランカスター、クラウディア・カルディナーレ出演。第16回カンヌ国際映画祭で最高賞に輝いた巨匠の代表作。

(舞台と時代背景)
 イタリア南部のシチリア島。当時はナポリを含む南イタリアと共に《両シチリア王国》に属していた。舞台となるのは、サリーナ公爵家のある島の北岸の都パレルモと、その広大な領地があり夏にそこの別荘で過ごすパレルモの南方、内陸のドンナフガータ村のモデルとなったサンタ・マルゲリータ・ベーリチェ。
 1860年のイタリア統一戦争の時代。イタリアは、サルディーニャ王国と、ローマを中心とする教皇領の他は、他国の影響下にある5つの王国・公国を合わせた集合体にすぎなかった。独立国家であるサルディーニャ王国の主導のもとで独立・統一の運動と戦いが進められ、同年11月に両シチリア王国が滅ぼされ、1861年3月に統一国民国家としての新生イタリアが出発することになる。
 シチリアの歴史は2500年に亘る異民族支配の歴史で、1302年以降はスペインの統治が5世紀半に亘って続き、前世紀からはスペイン・ブルボン王朝の支配下にあった。1860年5月、統一を目指すガリバルディ将軍は義勇軍「千人隊(赤シャツ隊)」を率いてシチリアに上陸する。赤シャツ隊のスローガンは祖国統一と腐敗した貴族支配からの解放であったから、広大な領地と財産を所有する貴族は、大変革かあるいは没落かの局面に立った。こうした時代背景において、原作小説は名門貴族サリーナ家を設定し、歴史の荒海におけるその当主の内面と運命をどのように受け入れるか、また若い世代はいかに進路を見出すかを描く。
 その先の歴史であるが、統一後もローマを中心とする教皇領はフランス軍に守られる体制のままであったことなど、ガリバルディは新しいイタリア王国のあり方に不満をもち、1862年、義勇兵を組織して反乱を起こす。ローマへの侵攻を企て、今度は新王国政府と対立する事態を招く。最終的にローマのイタリア王国併合は1870年10月である。また農民は新政府になっても大土地所有制は廃止されず農地を得られないなどの現実に不満を持つ一方、旧貴族は現状維持された形で支配層として君臨し続ける。大土地所有制が廃止されたのは第二次世界大戦後のことである。
 なおマフィアは、18世紀後半、シチリア西部の農村地帯に発生した武装集団で、山賊の跋扈する無法地帯の治安を維持するとともに農地管理人とともに土地を暴力で支配し勢力を拡大して行ったもので、映画ではそうした背景を窺うことが出来る。

(見どころ)
 《山猫》というのは、シチリアの名門貴族サリーナ公爵家の紋章です。祖国統一と腐敗した貴族支配からの解放を叫ぶガリバルディの赤シャツ隊が上陸し、戦闘が繰り広げられる事態に直面した山猫の当主サリーナ公爵ドン・ファブリツィオ(バート・ランカスター)は、どのような態度を示すでしょうか?
 公爵には長男フランチェスコ、次男パオロ、長女コンチェッタ、次女カロリーナ、三女カテリーナがあり、われらがアラン・ドロンは、公爵の甥タンクレディ役で登場します。ポスターで黒い帯で片目を隠しているのはなぜ? 『仁義』、『サムライ』で見てきた犯罪の血が流れているあのニヒルな表情は今回見られるでしょうか? 公爵は、彼ら若者たちをどのように見ていて、公爵家の将来、自身の生と合わせてどのような判断をするでしょうか?
 さて、クラウディオ・カルディナーレ演じるアンジェリカが登場します。圧倒されます。村長で土地独特の勢力図において貴族を超える大財力をもったドン・カロッジェロの娘なのです。名門貴族の山猫サリーナ公爵は、農村マフィアの山犬ドン・カロッジェロに対してなにを言い出すでしょうか。公爵と公爵家付のピローネ神父や、オルガン奏者のドン・チッチョとのやり取りも実に興味深いです。きれいごとなんかでない、人間の重みがここにも生き生きと浮かび上がります。そして大舞踏会がポンテレオーネ家の大きな大きな屋敷で催されます。滅び行くものと、新しく輝き出すものとの円舞が、目の前で見るようなリアリティをもって展開されるのです。(大内隆一)

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